アフガニスタン初等教育改善事業 2010年度

私たち日本教職員組合は、国際連帯のとりくみの一環として国際連帯カンパを活用し、子どもたちへの教育環境改善支援等にとりくんでいます。そのとりくみのひとつとして、社団法人シャンティ国際ボランティア会(SVA)が手がけるアフガニスタンの子どもたちへの支援を継続的におこなっています。

2010年度は、現地の民話に基づく絵本『靴屋と妖精たち』を、アフガニスタンの公用語であるパシュトゥー語・ダリ語で各600部作成しました。また、小学校に関しては、絵本の配布後、授業などで活用されるよう、学校の教職員を対象とした研修も行いました。SVAスタッフ等が絵本を詰めた「図書箱」を持って、各校で読み聞かせなどを行う「移動図書館活動」でも活用されています。そのような活動で、絵本は子どもたち67,210人に読まれることとなり、識字能力等の向上の機会を得ることが期待されます。

また、シャララバード市内で「子ども図書館」を運営し、対象地域の子どもたちや様々な事情で学校に行けない子どもたちに対し、学びの機会を提供しています。2010年度は、のべ294日間開館し、年間でのべ51,065人の子どもが利用しました。利用者数は、09年度から76%増加しています。子ども図書館では、自由に本が読めるようにするほか、歌や踊り、ゲームなどの活動も実施し、特別教室や裁縫教室、「母の日」や「女性の日」を記念した行事等も開きました。治安上の問題から、子どもたちが安心して遊べる場所が限られる中、子ども図書館は貴重な居場所となっています。特に女子が自由闊達に遊び、学ぶ時間を持てることは、成人女性が外を歩くことさえ難しいアフガニスタン社会において、貴重な経験となります。今後とも、活動を継続・支援していきます。

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