ピース・インド・プロジェクト 2010年度

「ピース・インド プロジェクト」は、インドのコットン生産地で児童労働をなくし、 子どもたちが就学できるよう支援するもので、日本教職員組合は国際連帯のとりくみの一環として国際連帯カンパを活用し、特定非営利活動法人ACE(エース)とともに2009年度からとりくんでいます。今年度は、ACEのプロジェクト担当:成田由香子さんからの報告を紹介します。


今回の訪問では、支援しているインド南部のアンドラ・プラデシュ州・ナガルドーディ村で、これまでの村の変化や課題などについて確認してきました。

村の状況については、活動を開始してからこれまでに123人の子どもたちが児童労働から抜け出し、教育を 受けられるようになったことが分かりました。 このうち75人が公立学校に通い、48人がプロジェクトで運営しているブリッジスクールに通っています。ブリッジスクールでは、これまで学校に通えなかった子どもたちが、基礎学力を身につけて、6月から始まる公立学校の新学期に48人全員が編入できるよう、テストの準備などをしています。 また村の公立学校には、たくさんの変化があり、教育環境が改善されてきました。教員・教室が増え、これまでなかった女子トイレも完成しました。さらに新学期からは8年生(中学3年生)まで進学できるようになる予定です。

このような改善がみられる一方で、課題も見つかりました。村には、まだ児童労働から抜け出せない子どもたちが、確認できるだけでも44人以上おり、そのほとんどが女の子です。この村では、女の子が13~15歳くらいになると親が結婚させ、また相手の家族へ高額の持参金をわたす習慣があります。そのために親は借金をしてしまい、また子どもたちを働かせてしまいます。村で家庭訪問やミーティングなどを通して、女の子たちの話から分かったことは、彼女たちは「本当は勉強をしたい」と考えていることです。ほとんどの女の子が「もし今からでも勉強できるならしたい」と言いました。失ってしまった機会を取り戻せるなら、そうしたいと考えているのです。また、今から読み書きを学ぶには、学校に行くのは恥ずかしくて行けないけれど、「もし同じ年齢の子のクラスがあるなら、勉強したい」と話してくれました。


プロジェクトでは、2年目の活動として、このような女の子たちの問題に焦点を当てた活動を新たに行う予定です。女の子たちのグループを作って自分の考えなどを表現できる機会を設ける・基礎教育クラスを開く・技術を身につけて将来の自立につながるよう支援する職業訓練を実施する等のとりくみを、継続して支援していきます。

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